研修の歩み

がん予防やがん医療のより一層の充実を図るため、国は平成18年6月に「がん対策基本法」を成立し、これに基づき、平成19年6月に「がん対策推進基本計画」が策定され、長期的視点に立ったがん対策の総合的かつ計画的な推進が施策としても図られてきました。
その後も5年に一度がん対策推進基本計画は見直され、平成24年に第2期、平成29年に第3期、令和5年からは第4期基本計画に基づいた政策が、広く継続的に展開されております。

ライフ・プランニング・センターは平成19年度より厚生労働省の委託をうけて全国のがん医療に関わる拠点病院の医療従事者(医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)等を対象に質の高い研修を提供してきました。

この研修は、医療従事者が患者及び家族のQOLの向上のために必要なリハビリテーションについての基本的な知識と技術の習得を目的とするものですが、それらの習得により、がんによる直接的な影響や手術療法、化学療法、放射線療法等による身体的とされる障害並びにこれらに伴う運動療法や生活機能の低下に対する予防・改善等を実践するものです。
あわせて研修では、がん領域におけるリハビリテーションのチーム医療の実践を目的としておりますが、25年度の研修実施から3年後の22年度4月には「がん患者リハビリテーション料」の新設に伴い、当研修受講が診療報酬申請の施設基準の要件に含まれたことからも、年々大幅な受講増を得てきました。(平成25年3月末までの受講者数約3900名)

また、平成21年度からは、それまでがんのリハビリテーション研修の中で取り扱われてきたリンパ浮腫研修内容を独立研修として位置づけ、リンパ浮腫治療を実践でき、指導的な役割を担える人材の育成も開始しました。
さらに24年度より、国際的なレベルに沿った研修内容への整備を行い、25年度には『専門的なリンパ浮腫研修に関する教育要綱』に沿った研修を実施しております。(平成25年末までの受講者数延べ約2000名)

平成26年度より、一般財団法人ライフ・プランニング・センターが厚生労働省委託事業(平成19~25年度)に引き続いて、厚生労働省の後援と関係学協会の協力を受けて研修を実施することとなりましたが、研修の質を維持しつつ、より多くの医療者に研修を提供して参ります。

年度ごとのあゆみ

平成19年度
「がん対策推進基本計画」実施に伴い厚生労働省委託事業が開始される。
19年度 研修総参加者数は586名
20年度 研修総参加者数は610名

平成21年度
研修にチーム医療推進のためのグループワークがとり入れられる。
リンパ浮腫治療のための研修が独立して実施される。

平成22年度
チーム医療を意識し、4名1組のチーム参加として、がんリハ研修実施(現研修と同様)。
同年4月の診療報酬改定で、「がん患者リハビリテーション料」が新設され、診療報酬申請要件の中にがんリハ研修の受講修了がはいることになる。

平成24年度
23年度 研修開始(平成19年度)より総参加者数が3508名を超える。
24年度 研修開始(平成19年度)より総参加者数が4846名を超える。

平成25年度
各県で委託事業と同等の研修を実施するための「がんのリハビリテーション企画者研修」が開始される。
『専門的なリンパ浮腫研修に関する教育要綱』に沿った座学が習得できる新リンパ浮腫研修が開始。

平成26年度
がんリハ研修、リンパ浮腫研修の委託事業終了に伴い、両研修とも厚生労働省後援事業として継続実施。