研究目的
①様々な診療の場面においてがんのリハビリテーション 研修(以下、がんリハ)を適切に提供するためのアルゴリズムに基づいた判断支援ツール( Cancer Rehabilitation in Decision Support Algorithm:CARDS )を開発、がん診療連携拠点病院等で有効性を検証し、普及させる体制を提案すること。
②全国のリンパ浮腫診療について、実態の把握と各地域における診療ネットワークの構築および診療ネットワーク情報をわかりやすい形で公開すること。
期待される成果
①学術的メリット
入院中から外来、地域医療まで幅広く、がんリハに関する多施設共同での臨床試験の実施体制が整い、質の高い臨床研究活動が活発化する。また、リンパ浮腫診療ネットワークが普及すれば、リンパ浮腫患者の全国レジストリが可能となる。
②社会的メリット
入院中とともに外来や在宅医療でのがんリハやリンパ浮腫診療が行われれば、より多くのがんサバイバーが仕事や学業など社会復帰が可能となり、社会協働が促進される。また、地域医療や介護保険サービスで提供できれば、より多くの要介護高齢者が自宅療養可能となる。
③経済的メリット
拠点病院等とともに外来や地域医療において、がんリハやリンパ浮腫診療の普及や均てん化が図れれば、がんの進行や治療による後遺症や合併症が減り、 QOL向上とともに医療費の削減が期待できる。また、がん治療後に要介護状態に陥ることなく自立的に生活し健康寿命の延伸が図れれば、介護者の負担軽減とともに、医療や福祉資源の効率的な配分に寄与できる。