がんリハビリテーションの均てん化に資する効果的な研修プログラム策定のための研究 研究概要

研究目的と期待される成果   研究計画・ ROAD MAP   研究体制

研究目的と期待される成果

令和3(2021)年次計画 開発した研修プログラムの実施・評価と更新・検証 その1

① 開発した研修プログラム(E-CAREER)による研修の実施・評価と更新
 e-learningシステムによる、がんのリハビリテーション研修プログラム(E-CAREER)を各地方で開催される(厚労省後援)がんのリハビリ研修へ導入できるように、企画者用の研修マニュアルを公開し、研修の企画者を対象とした企画者研修会を開催し周知に努め、各地方での実施を促進する。質疑応答や研修実施報告、最新の資料提供が行えるように双方向の情報共有が可能な体制を構築する。
 また、CAREER研修のグループワークを行う際のファシリテーターを育成する目的で実施されているファシリテーター研修の動画・研修マニュアルを公開、ファシリテーター研修の実施を行う。なお、COVID19感染拡大下でのオンラインでの遠隔グループワークに関してもマニュアルを作成する。
 がん診療やがんリハビリ関連学協会から推薦された委員で構成される研修運営委員会は、定期的に委員会を開催し、受講生や地方研修企画者へのアンケート調査結果や社会情勢、診療ガイドラインの公開など学術面での情報共有を行い、プログラムの見直し・更新を随時行う。

② 開発した研修プログラム(リンパ浮腫研修)による研修の実施・評価と更新
 e-learningシステムを一部導入したリンパ浮腫研修プログラムにより、(厚労省後援)リンパ浮腫研修を実施する。リンパ浮腫診療やがんリハビリ関連学協会から推薦された委員で構成される研修運営委員会は、定期的に委員会を開催し、受講生へのアンケート調査結果や社会情勢、診療ガイドラインの公開など学術面での情報共有を行い、プログラムの見直し・更新を随時行う。
 また、がんリハビリやリンパ浮腫診療の普及啓発の一貫として、地域や外来での実施方法や患者向けの自主トレーニングの実践に関するコンテンツを作成し広く公開する。

③ 開発した研修プログラムの臨床現場における有用性を踏まえた検証
 研修終了後に、開発された研修プログラムの効果の検証を行うため、受講生へのアンケートを作成する。作成にあたっては、医学教育の専門家の意見も取り入れ、カークパトリックの研修評価などを用いて、反応(参加者がどのような反応を示したか)・学習(知識・能力の向上はあったか)・行動(研修の学びがどの程度活用されているか)・結果(業務内容に変化があったか)のどのレベルに到達しているのかを分析する。

令和4(2022)年次計画 適切ながんリハビリ診療の実施に向けた提案 その2

① 開発した研修プログラム(E-CAREER)による研修の実施・評価と更新

② 開発した研修プログラム(リンパ浮腫研修)による研修の実施・評価と更新
 引き続き、取り組みを継続する。

③ 開発した研修プログラムの臨床現場における有用性を踏まえた検証
 開発された研修プログラムの効果の検証を行うために作成した受講生へのアンケートを実施する。分析結果は、過去のアンケート調査の結果と比較し、開発された研修プログラムの有用性を検証する。

④ 適切ながんリハビリ診療の実施に向けた提案
 がんのリハビリに携わる有識者やがん患者団体の委員を対象としたグループワークを実施し、適切ながんリハビリ診療の実施に向けた提案書を作成する。
 内容は、段階的なリハビリ治療のレベルを提案(治療内容、実施場所、実施者、治療目標)し、がん周術期・サバイバー(予防・回復的リハビリ)、放射線・化学療法中(維持的リハビリ)、緩和ケア主体の時期(終末期リハビリ)のすべての時期において、シームレスにリハビリテーション治療が実施できるようなフローを作成するとともに、今後のがん診療連携拠点病院等のがん専門医療機関におけるリハビリのあり方や研修のあり方を検討し成果物としてまとめる。

がんリハビリテーション: 段階的な治療のレベル

がんのリハビリテーション治療医療での監視下
運動療法
監視下
がん特化地域密着型
非監視下
地域密着型
概要機能障害に重点を置いた専門的治療機能障害ふまえた非専門的治療特別な日常の運動非監視下の日常の運動
実施場所がん拠点病院での外来リハビリテーションクリニック(大学、がんセンター、医療施設関連)地域密着型施設(デイケア/訪問リハ)在宅地域密着型施設(ピアサポート/ジム)
実施者リハビリ科専門医リハビリテーション専門職(PT、OT、ST)看護師、運動療法士等(学士&がん専門研修終了)運動専門職(学士&がん専門研修終了)非監視下:運動処方やサポート各種団体一般的:運動専門職(高卒、適切な有資格)
治療目標機能障害・QOL向上
特別なサービス不要への移行
身体機能や運動時の自己管理能力の向上
運動の目標への到達特別なサービス不要への移行
身体機能や運動時の自己管理能力の向上
運動の目標への到達特別なサービス不要への移行
日々の運動や身体活動向上による身体機能・QOL向上

研究計画・ ROAD MAP

令和3~令和4年度 厚生労働省科学研究費補助金(がん対策推進総合事業)
「がんリハビリテーションの均てん化に資する効果的な研修プログラムの策定のための研究」

研究の概要(2年間計画)

 2年間の計画で、開発された研修プログラムを実施し、がんリハビリテーション研修プログラムの評価と更新、臨床現場における有用性を踏まえた検証を実施、適切ながんリハビリ診療の実施に向けた提案を行うことにより、がん患者がリハビリを受けられる体制を拠点病院等に普及させる。

令和3(2021)年
開発した研修プログラムでの研修の実施・評価と更新・検証

令和4(2022)年
適切ながんリハビリ診療の実施に向けた提案


平成30~令和4年度 厚生労働省科学研究費補助金(がん対策推進総合事業)
「がんリハビリテーションの均てん化に資する効果的な研修プログラムの策定のための研究」

ROAD MAP(4年間全体計画)

研究体制

研究代表者・研究分担者は、各所属機関において倫理審査状況及び利益相反等の管理を適正に実施しております。

2022年度研究者名簿

役割区分氏名所属職名
研究代表者辻 哲也慶應義塾大学医学部 リハビリテーション医学教室教授
研究分担者小林 毅日本医療科学大学保健医療学部 リハビリテーション学科教授
研究分担者岡村 仁広島大学大学院医系科学研究科精神機能制御科学研究室教授
研究分担者幸田 剣和歌山県立医科大学 リハビリテーション医学講座講師
研究分担者酒井 良忠神戸大学大学院 医学研究科 リハビリテーション機能回復分野教授
研究分担者阿部 恭子東京医療保険大学千葉看護学部教授
研究分担者高倉 保幸埼玉医科大学 保健医療学部 理学療法学科教授
研究分担者櫻井 卓郎国立がん研究センター中央病院 骨軟部腫瘍・リハビリテーション科作業療法士
研究分担者神田 亨静岡県立静岡がんセンター リハビリテーション科言語聴覚士
研究分担者杉森 紀与東京医科大学病院 リハビリテーションセンター言語聴覚士
研究分担者増島 麻里子千葉大学大学院看護学研究院教授
研究協力者熊谷 恒子宮城県看護協会 認定看護管理者教育課程専任教員
研究協力者粟生田 友子埼玉医科大学大学院看護学研究科教授
研究協力者栗原 美穂国立がん研究センター東病院看護部看護部長
研究協力者井上 順一朗神戸大学医学部附属病院 リハビリテーション部理学療法士
研究協力者三沢 幸史医療法人社団幸隆会多摩丘陵病院 リハビリテーション技術部作業療法士
研究協力者近藤 国嗣東京湾岸リハビリテーション病院院長
研究協力者杉原 進介四国がんセンター骨軟部腫瘍・整形外科・リハビリテーション科医長
研究協力者佐々木 寛医療法人沖縄徳洲会 千葉徳洲会病院 婦人科部長
研究協力者北村 薫医療法人 貝塚病院 乳腺外科・リンパ浮腫外来部長
研究協力者小川 佳成大阪市立総合医療センター 乳腺外科部長
研究協力者小口 秀紀トヨタ記念病院 産婦人科副院長
研究協力者重松 邦広国際医療福祉大学三田病院 血管外科教授
研究協力者保田 知生星ヶ丘医療センター 血管外科部長
研究協力者小川 佳宏医療法人リムズ徳島クリニック理事長
研究協力者岩田 博英いわた血管外科クリニック院長
研究協力者菰池 佳史近畿大学医学部外科学教室 乳腺・内分泌部門教授
研究協力者藤本 浩司千葉大学医学部附属病院 乳腺甲状腺外科助教
研究協力者宇津木 久仁子公益財団法人がん研究会 有明病院 健診センター・リンパケアルーム部長
研究協力者小林 範子北海道大学病院 婦人科講師
研究協力者木股 敬裕岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 形成外科教授
研究協力者前川 二郎藤沢市保健医療センター医師
研究協力者奥 朋子訪問看護ステーションフレンドウェルネスアトリウム代表
研究協力者田尻 寿子静岡県立静岡がんセンター リハビリテーション科作業療法士
研究協力者熊谷 靖代野村訪問看護ステーションがん看護専門看護師
研究協力者髙島 千敬広島都市学園大学 健康科学部作業療法士
研究協力者吉澤 いづみ東京慈恵会医科大学附属病院 リハビリテーション科作業療法士
研究協力者山本 優一公益財団法人仁泉会 北福島医療センター リハビリテーション科理学療法士
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